グスタフクリムトの画法は尾形光琳の影響だった!

2017年6月1日からベルベデーレ宮殿のオーストリアギャラリーでは、写真撮影が解禁されました。

 

グスタフクリムトの最高傑作といわれている『接吻』の前では、名画と一緒に写真撮影をしている訪問者でいつも賑わっています。

 

クリムト自身と生涯ずっと愛し続けたエミーリエをモデルに描かれた『接吻』は、彼の幸福の頂点を表現していると言われていますが、崖から落ちそうなエミーリエの足元を見ると、クリムトが彼女を失うことへの不安がいつも付きまとっていたことが垣間見えます。

クリムトは『接吻』に見られるように、屏風のような正方形のキャンバスサイズ、金箔色と装飾的な模様を多用した豪華で特徴的な画法、2次元の平面的で遠近法のない空間に、人物の顔や身体では写実的描写を混合させたオリジナリティー高い表現が特徴です。

 

斬新で19世紀末のユーゲントシュティール(象徴主義)の代表となった画法が、実は日本画家 尾形光琳の影響を受けていたのをご存知でしょうか

尾形光琳は江戸時代の画家で、『琳派』と呼ばれる装飾的な大画面を得意とした画法を生み出した人です。クリムトは日本に行ったこともないですし、尾形光琳は彼が生まれる200年前に活躍した人ですから、会ったこともありません。

 

幸運にも、1873年にウイーン万博が開かれ、日本から多くの日本美術が出品されました。その時に、光琳の屏風絵に強い衝撃を受け、独学で日本の職人並みの金箔技術を修得し、金箔と油絵を融合させる独特の絵画的技法を見事に確立させたそうです。

 

下の2つの絵を比較してみるととても面白いです。

最初の絵画は尾形光琳の『紅白梅図屏風』2枚目はクリムトの『アデーレ ブロッホ バウアー』です。

本作の大部分に金箔を貼り、S字に流れる川に水流を表現するために、渦巻き模様を施し、梅の木の幹は写実的に描いています。

この肖像画は、光琳の紅白紅梅図の構図を真似て書かれています。川の部分に2次元化した実在の人物、アデーレブロッホバウアーを融合させ、官能性を表現しました。二つの絵を比較すると、いかにクリムトが琳派の特徴である渦巻き紋様、流水文様、藤・鱗・唐草の文様に大きな影響を受けている事がわかるかと思います。

 

日本では大人気のグスタフクリムトは、万博で尾形光琳との出会いがなければ、オリジナリティー豊かな画法が確立していなかったとは、以外ですね。