11月11日ついに新酒のワイン(ボージョレ―ヌーボー)が解禁!

オーストリアでの新酒の解禁は聖マルティン祭の11月11日です。

新酒のワインは「Heurigeホイリゲ」と呼ばれており、ゲミシュター・サッツ(混植混醸)からなる辛口の白ワインが主流です。
また「ホイリゲ」を出すワイナリー経営の洋風居酒屋も「ホイリゲ」と言って、週末にはウィーンっ子も沢山の観光客も入り混じってシュランメル音楽を聴きながら地元のワインを楽しんでいます。

 

9月初旬に収穫された葡萄はすぐ絞ってぶどうジュースになり瓶詰めされます。

これはモストと呼ばれていて、アルコールに弱い人でもホイリゲで楽しむ事ができます。このモストを四週間ほど寝かせると、シュトルムという濁り酒になります。このシュトュルム、ドイツ語で『嵐』と言う意味です。発泡酒なので口当たりがとても良いのですが、飲みすぎてしますと、体の中でもどんどん発砲してしまい、おなかを壊してしまったり、頭が痛くなって嵐のようにになってしまうので、気をつけましょうといった警告を含めてつけられたそうです。

これをさらに二カ月近く寝かせると、新酒ホイリゲの出来上がりです。

かつてはワイン農家は仲買人を通してのみ、売ることしかできず、農民たちは当時の皇帝、マリアテレージアの長男ヨーゼフ2世に直接ワインを販売させてほしいと直談判したそうです。

ヨーゼフ2世は啓蒙主義で、聞く耳があったようですが、条件を出しました。その条件とは、「自分たちの畑から取れた新酒のみを、軒先で飲ませたり売ったりしてもよい。又その際にあらかじめ作りおきしておいたサラダ、ソーセージなどを売っても良いが、レストランではないので、料理を作って販売するのは禁止」というものだったようです。

現在でも、伝統を守ったホイリゲではワインはテーブルで注文、料理はビュフェのみでしか購入出来ないシステムになっています。(レストランと一緒になったホイリゲも多いですよ。)

 

入り口には松の木がぶら下がっていますが、これは「新酒のワインがありますよ」の意味です。電球や看板で代用しているところも時々あります、ホイリゲは新酒のワインが完売したら、その年の営業は終わりになりますが、皆さん計算して生産しているので、次の年の解禁までなくなることなどありません(笑)

 

さて、肝心のワインの味ですが、フルーティーで軽やかなので、たくさん飲めてしまいますが、アルコール度は11パーセントですので、飲み過ぎには注意しましょうね。